東京の交通事故死 53年ぶりに全国でワースト 

警視庁=東京都千代田区
警視庁=東京都千代田区

 東京都内では昨年、交通事故の死者が155人となり、53年ぶりに全国ワースト1位となった。警視庁は、新型コロナウイルスの感染拡大で交通量が減り車などがスピードを出し過ぎる傾向があったことなどが背景とみて警戒を強めている。事故で亡くなった人のうち「歩行中」が67人と大幅に増加、全体の43%を占めた。警視庁は交通安全や歩行者保護の呼びかけをさらに強化する。(吉沢智美)

 交通総務課によると、都内の昨年の交通事故は2万5642件で、前年比4825件減った。一方で、死者は前年比で22人増え、155人となり、全国ワースト1位だった。全国的に交通事故死者数は減少傾向にあるが、都内は突出して増加した形で、警視庁は危機感を強めている。

 警視庁は死者数増の要因に新型コロナの感染拡大があるとみている。「外出自粛などで道路が空き、車やバイクがスピードを出し、重大事故につながるケースが増えた可能性がある」(交通総務課)からだ。

 また3密を避けようと、混み合う公共交通機関の利用を控える動きが広がり、二輪車の絡む死亡事故も増加。二輪車乗車中の事故の死者は昨年40人で、前年より12人増えた。新たに免許証を取得した人や、久しぶりに乗車したベテランライダー、慣れない新車による事故が目立つという。

 死者155人を状況別にみると「歩行中」が最多の67人で前年比で10人増。横断歩道で事故に遭い亡くなった人は22人を占めた。歩行者に交通違反があった例はほぼなく、車などが横断歩道の手前で停止しなかった事故が多いという。

 日本自動車連盟(JAF)の昨年の全国調査では、「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」で都内は6・6%とワースト2位。停止率1位の長野県の72・4%から大きく引き離され、全国平均の21・3%も大幅に下回っている。

 車の運転者らに横断歩道を渡る歩行者などを保護する意識を広げようと、警視庁は恐竜が登場するなどユニークな啓発動画を制作。交通部特設ホームページ「TOKYO SAFETY ACTION」などで公開し、映画館や商業施設での放映も行う予定だ。

 4月から始まる春の交通安全運動に先駆け、警視庁の交通安全広報大使を務めるアイドルグループ「ももいろクローバーZ」を招いた交通安全教室を、交通部特設ホームページで配信する。

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