菅義偉(すが・よしひで)首相は3日の参院予算委員会で、総務省幹部に接待を繰り返した長男の正剛(せいごう)氏が勤める放送事業会社「東北新社」について、正剛氏の就職当時から総務省の利害関係者と認識していたことを認めた。「放送に関与することは知っていた」と述べた。武田良太総務相は今回の問題に関し、「(幹部らの)自らの都合の良い解釈による軽率な行為だった」と指摘した。
贈収賄事件で在宅起訴された元農林水産相の吉川貴盛被告と鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表との会食に枝元真徹(まさあき)農水事務次官らが同席していた問題をめぐっては、野上浩太郎農水相が「一日も早く国民の信頼を取り戻すため、再発防止と倫理規程の順守を徹底し、日々の仕事に取り組みたい」と強調した。
その上で、吉川被告の農水相在任期間に限っていた接待の有無の調査について「より広範囲を対象とする追加的な調査を実施する方向で検討している」と明らかにした。
新型コロナウイルス対策などを盛り込んだ令和3年度予算案は同日、参院予算委で審議入りし、この日は首相と全閣僚が出席する基本的質疑が行われた。