囲碁のタイトル戦「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第1局が2日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で始まった。今期は防衛がかかる芝野虎丸十段(21)=王座=に、初の十段奪取を目指す許家元(きょ・かげん)八段(23)が挑むシリーズ。2人の年齢を足して七大タイトル最年少対決となった昨秋の王座戦五番勝負の再現で、令和の囲碁界を牽引(けんいん)する若手実力者の激突だ。
午前9時半、立会人の石田篤司九段が「時間になりました」と告げると、先・後攻を決める握りが行われ、許八段が先(黒)番に。同大の谷岡一郎学長らが見守る中、許八段が右上星に着手すると、芝野十段が左下星に応じた。
許八段が黒5で左下三々に入ったあと、黒19とAI(人工知能)搭載ソフトでの研究の影響を受けた打ち方で進めた。
一方の芝野十段も左上白24から28と気合の進行。解説の村川大介九段は「許八段は左辺の白模様を荒らすことができた。芝野十段も中央の黒二子を切り離して手厚くなった。互角の形勢です」と話す。
新型コロナウイルスの感染防止対策として、棋譜を記入したり残り時間を読み上げたりする記録係の前面には、飛沫(ひまつ)防止のシールドが特設されるなど、万全の状態が整えられた。
同大では11年連続開催。この間、地元の東大阪市出身で、十段通算5期の井山裕太三冠が7回対局しており、前十段の村川九段が3回で続く。張栩(ちょう・う)九段、結城聡九段、高尾紳路九段、伊田篤史八段とともに芝野十段も2回目の登場。過去10回はいずれも第1局で実施されており、開幕戦を制した棋士が6度、十段に就いている。
対戦成績は芝野十段8勝、許八段が5勝。許八段には平成30年の碁聖以来となる七大タイトル獲得がかかる。
持ち時間は各3時間の1日打ち切り制。同日夜までに決着する見込み。
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囲碁 棋譜再現(Windows版のみ)解説あり(SANKEI-EGG ver8.20以降)
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