みずほ銀行は1日、前日のシステム障害で出金などができなくなった現金自動預払機(ATM)について、同日午後3時までにすべて復旧したと発表した。一部で発生していたインターネットバンキングの障害も解消した。ただ、店舗外のATMについては不具合の解消が遅れるなど、混乱は1日以上続いた。みずほグループはこれまでもシステム障害が相次いでおり、ブランド力が傷つくことは避けられない。
金融庁は銀行法に基づき、みずほ銀に障害の原因や顧客への対応に関する詳しい報告を求める「報告徴求命令」を出す方針を固めた。報告の内容次第では、業務改善命令などの行政処分を科す可能性もある。
会見した藤原弘治頭取は「お客さまへの対応が不十分だった。データ移行時の想定の甘さに起因するトラブルで、深くおわびする」と陳謝し、再発防止に全力を尽くすと強調した。
みずほ銀によれば、定期預金取引のデータ更新の際、システム上の能力を超えた負荷が発生。このため、定期預金を取り扱うATMやネットバンキングにも影響が生じ、システム障害につながったという。
2月28日夜の時点では、自行ATMの過半を占める約3千台が停止。ATMに挿入したキャッシュカードや通帳が戻らず、多くの顧客が足止めされた。カードや通帳を取り出せなくなった預金者への連絡と返還を進め、他行ATMなどの利用で手数料が余分にかかった人には費用を返還する。