政府が追加経済対策検討 回復二極化、広がる格差 現状支援は不十分

品川駅の通勤客=8日午前、東京都港区(酒巻俊介撮影)
品川駅の通勤客=8日午前、東京都港区(酒巻俊介撮影)

 政府・与党が新たな経済対策の検討を始めるのは、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた日本経済の中で、回復が先行する製造業や株高の恩恵に浴する富裕層と、苦境が続く非製造業や中小企業、困窮世帯との二極化が鮮明だからだ。1月成立の令和2年度第3次補正予算は新型コロナの感染収束後に重点を置き、足元の景気浮揚効果は乏しく、追加対策で十分な支援が届かない人々にどう手を差し伸べるかが問われる。

 政府・与党が令和3年度予算案の成立後、追加の経済対策の策定を検討していることが28日、分かった。新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発令で収入が落ち込んだ困窮世帯の支援や中小企業の資金繰り支援などが浮上。3月下旬の予算案成立前から検討に着手し、新年度早々にも取りまとめたい方針だ。

 SMBC日興証券によると、3月期決算の上場企業で2年4~12月期決算発表時に通期の最終利益見通しを上方修正したのは、製造業では332社中、約44%にあたる146社。一方、非製造業では304社中、約26%の79社だった。外需回復に伴い輸出が好調な製造業に対し、外出自粛の影響を受け赤字転落が相次ぐ観光や運輸、外食などを中心とした非製造業との二極化が鮮明になっている。

 事情は家計も同様で、製造業で働く人々や株高の恩恵を受ける富裕層と、困窮世帯の間で格差がある。こうした「K字型」の回復はコロナ禍の大きな特徴だ。諸外国に比べてワクチン接種が遅れている日本は感染収束まで時間がかかる懸念もあり、景気を下支えする対策が求められている。

 今年1月には2年度3次補正が成立したが、内容が練られたのは緊急事態宣言再発令前の昨年末。歳出の6割はデジタル化などの成長戦略が占め、足元の支援策は不十分だった。