女子の兵法・小池百合子

「臨機応変」に戦い勝つ

笑顔を見せる池江璃花子=東京都世田谷区の日大キャンパス(代表撮影)
笑顔を見せる池江璃花子=東京都世田谷区の日大キャンパス(代表撮影)

 テニスの全豪オープン女子シングルスで2年ぶり2度目の優勝を飾った大坂なおみ選手は、新型コロナウイルスによる制約をプラスに変えたとも評されている。

 世界各地の感染拡大に伴いツアーが休止され、隔離生活や都市封鎖も経験した。だが、コロナ禍に一度立ち止まって磨きをかけたことで精神的なタフさが増したという。

 「この優勝をコロナと戦っている世界中の人々と、10年前に東日本で起こった震災後、今なお困難に立ち向かっている日本の方々にささげる」

 この全豪テニスは、会場を3つのゾーンに分けて観客の行動範囲を制限、電子チケットで接触を防ぐ、観客数に上限を設けるなどさまざまな感染対策を徹底する中で開催された。会場のメルボルンは大会期間中、コロナ対策で5日間にわたってロックダウンされ、無観客試合に切り替えた。解除後、準決勝、決勝は再び収容人数の50%の観客を入れて行われた。臨機応変な運営が大会を成功に導いた。

 勇気と感動を与えてくれるアスリートには、競泳女子の池江璃花子選手もいる。白血病からの復活を目指して臨んだ2月21日の東京都オープン・女子50メートルバタフライで優勝をつかんだ。過酷な闘病生活を乗り越え、昨春に約400日ぶりのプールに入ったとは思えない圧巻の泳ぎを披露した。全力で前に進む池江選手の姿は輝いている。

 その輝きの裏でどれだけの努力があっただろうか。再び世界の舞台に立つ日が待ち遠しい。

 池江選手は「アスリートとして狙っているところは皆一緒だと思うので、自分もそれに向けて全力で頑張る」、大坂選手は「狙うのは当然、金メダル」。2人の視線の先には今夏の東京五輪がある。新たに就任された大会組織委員会の橋本聖子会長や丸川珠代五輪相とともに、開催都市の長として全力を挙げていく。

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