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バイデン政権、「科学重視」で脱トランプ 大物科学者を次々登用

また、バイデン氏は今夏の東京五輪についても科学を持ち出して言及。「安全に開催できるかどうかは、科学に基づくべきだ」と指摘した。

執務室にフランクリン

政権のこうした姿勢を顕著に示しているのが、名門マサチューセッツ工科大(MIT)の教授で、遺伝学者であるエリック・ランダー氏をホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)局長に指名した人事だ。

ランダー氏は、閣僚級に格上げされた大統領科学顧問の地位にも就任。米国科学協会はAP通信に対し、格上げは「科学的な知見をすべての政策協議に反映させるという政権の意志を明確に示すものだ」と歓迎するコメントを寄せた。

バイデン氏は他にも、MIT副学長で惑星科学者のマリア・ズーバー氏と、ノーベル化学賞受賞者のフランシス・アーノルド氏を大統領科学技術諮問委員会の共同委員長に任命。

声明で「科学はわが政権の常に最優先であり続ける。われわれが実行することすべてが科学、事実、そして真実に基づくことを、これら世界的に有名な科学者たちが保証していくことになる」とした。

こうしたバイデン氏の科学重視の姿勢はホワイトハウスの大統領執務室にも表れている。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、トランプ前大統領時代に飾られていた第7代大統領のアンドリュー・ジャクソンの肖像画は取り外され、「建国の父」の一人であるベンジャミン・フランクリンに掛け替えられた。

18世紀に生きたフランクリンは、米独立宣言の起草委員となるなど米政治に大きな足跡を残した一方で、雷が電気であることを証明した実験で有名な科学者でもあった。科学を軽視した前政権からの脱却が本物かどうか、科学者たちは固唾をのんで見守っている。(ワシントン 住井亨介)

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