どうなる福岡県知事選 またも保守分裂の可能性

緊急事態宣言が2月末で解除されることを受け記者会見する福岡県の服部誠太郎副知事=24日、県庁
緊急事態宣言が2月末で解除されることを受け記者会見する福岡県の服部誠太郎副知事=24日、県庁

 肺腺がんのため辞表を提出した福岡県の小川洋知事の後任を選ぶ県知事選(3月25日告示、4月11日投開票)をめぐり、自民党福岡県連の情勢が混沌としてきた。県議団が服部誠太郎副知事の擁立に傾く一方、一部の国会議員らは、元国土交通省局長で一般財団法人運輸総合研究所の奥田哲也専務理事を推そうとしている。次の衆院選を目前に控え、保守分裂で遺恨を残した前回知事選の二の舞いを避けられるかが注目される。

 「小川知事の気持ちや路線を受け継ぎ、受け止めてやっていくのが基本だ」

 奥田氏は25日、東京都内で産経新聞などの取材にこう答え、次期知事選への出馬を検討していることを明らかにした。党内には、一部の国会議員や福岡県出身の古賀誠元幹事長が擁立に前向きとの見方がある。

 一方、県議団には、小川氏が入院中に職務代理者を務めた服部氏を推す声が強い。26日には県議会の主要4会派が知事選への対応を協議したが、このうち自民や野党系などの3会派が服部氏を推した。

 服部氏を軸とすれば、相乗りの構図ができる可能性もある。秋までに次の衆院選が行われることを踏まえれば、自民として現段階で勝ち星を確実に計算できる図式に持ち込みたいという思いもあるとみられる。

 ただ、服部氏は態度を明らかにしておらず、「知事選に出る意思がないのではないか」(自民関係者)との見方もある。相乗りが実現するかは見通せない。

 福岡を地盤とする国会議員の思いは複雑に分かれているようだ。24日には、麻生派(志公会)以外の国会議員8人が、都内で知事選について話し合った。この際は服部、奥田両氏を推す声があがったという。

 平成31年に行われた前回の知事選で、麻生太郎副総理兼財務相=衆院福岡8区=に近い県連主流派は元厚生労働官僚の新人を後押しし、党本部は麻生氏の強い求めもあり、新人に推薦を出した。これに対し、県連内の反麻生勢力が現職の小川氏を支持。古賀氏や山崎拓元副総裁ら、福岡を地盤とする自民の大物OBも小川氏の支持に回り、県政界の覇権争いが表面化した。

 結果は武田良太総務相=同11区=ら二階派(志帥会)の衆院議員の支援も受けた小川氏が大差で3選を果たしたが、県連内には禍根が残った。

 県選出の国会議員は、今回の知事選で「(前回のような)保守分裂は避けてもらいたい」と本音を漏らす。麻生氏も小川氏の後継候補を円満に選びたいと考えているようで、周囲には「今回は俺を巻き込むな」と漏らしているという。(今仲信博)