「そもそも現代の青年は学問を修める目的を間違っている」と断じたのは、今年のNHK大河ドラマの主人公として注目されている渋沢栄一である。著書「論語と算盤」で、目的意識がなく何となく学問をしているから、社会に出ると何のために今まで学問をしてきたのかと自問自答する羽目になる-とした
▶若者とは昔も今も変わらないものだと思うが、それに比べるとこの人は違う。史上最年少のタイトルホルダーとなった藤井聡太棋聖(18)=王位=が高校を中退した。将棋に専念するためで、その気持ちがより強くなったのもタイトルを取ったからだという
▶人にはさまざまな時がある。学ぶとき、働くとき、挑戦するとき、休むとき、退くとき…。われわれ凡人はついB級、A級と上って谷川浩司九段(58)の持つ21歳2カ月という史上最年少名人獲得記録の更新はなるか…などと期待してしまうが、今は将棋をするとき、それだけなのだろう。