ワールドは1年でリストラ2度 EC出遅れ響く老舗アパレル

 一方、ワールドは「コロナの感染拡大前から続くオーバーストア(店舗過剰)、オーバーサプライ(供給過多)も苦境の原因」とする。

 アパレル向けのクラウドサービスなどを手がけるフルカイテン(大阪市)の瀬川直寛社長は、アパレル業界が長年抱える在庫問題を指摘し、「製造コストを下げるため中国などに発注する一方で、国内市場は頭打ちで売れ残りが増えるようになった。トレンド商材のため翌年に商品を持ち越すこともできず、二束三文で海外へ輸出したり焼却処分したりする。家賃や人件費など固定費負担の大きい実店舗の売り上げを維持するため、在庫を簡単に減らせない悪循環に陥っている」と説明する。

 この在庫状況を示すデータがある。日本繊維輸入組合が生産動態統計や貿易統計を基に推計した衣類の国内供給量は、令和元年で約39億8400万点だった。20年ほど前の平成12年は約37億点で、その後は年40億点前後で推移。1990年代は15兆円ほどあった国内のアパレル市場が9兆円強まで縮小するなか、供給量は変わらず横ばいが続いているのだ。

 民間調査会社の矢野経済研究所は「一般にアパレル業界では国内供給量の6割程度が購買されれば大成功といわれており、残りは不良在庫になる」と指摘。フルカイテンの瀬川社長も「大量発注、大量生産し、販売はセールに頼りきりという持病があり、サステナビリティ(持続可能性)の観点からも問題」と懸念する。こうした悪弊を断ち切らない限り、業界への逆風は止まないだろう。