海上自衛隊が運航する南極観測船「しらせ」が22日、昭和基地での仕事を終えた南極観測隊員を乗せ、横須賀基地(神奈川県横須賀市)に戻った。新型コロナウイルスの影響で往復路ともに例年経由するオーストラリアに寄らず、日本の南極観測事業で初めて無寄港での航海。観測隊も同国からの空路ではなく異例の海路での帰国になった。
乗船した観測隊員は41人。下船後は近くの公園で関係者の出迎えを受けて笑顔を見せた。約1年を現地で過ごした第61次越冬隊の佐藤丞さん(56)は「自然も生活も想像以上に面白く貴重な経験だった」。日本を出発したのは、新型コロナ感染が広がる前の令和元年11月で「コロナで生活様式がどう変わったのか」とも話した。