花田紀凱の週刊誌ウオッチング

〈810〉文春スクープで高官〝更迭〟

衆院予算委員会で答弁する総務省・秋本芳徳情報流通行政局長。後方は武田良太総務相=19日午前、国会・第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会で答弁する総務省・秋本芳徳情報流通行政局長。後方は武田良太総務相=19日午前、国会・第1委員室(春名中撮影)

今の『週刊文春』の取材力は空恐ろしい。今週号(2月25日号)のトップは「菅首相長男『ウソ答弁』証拠音声を公開する」。

2月11日号で、菅首相の長男、菅正剛氏(東北新社部長)らが総務省幹部4人を次々と高級料亭などで接待、とスクープ。そのひとり、秋本芳徳情報流通行政局長は連日国会で追及を受け、「東北新社の事業が話題にあがった記憶はございません」などと否定答弁を続けてきた。

ところが『文春』は、何枚も上手。

〈その日、秋本氏の入店を確認した小誌記者は、店内に複数の客として入店し、密談の一部始終を目撃、付近の席で音声をメモ代わりに録音していた〉

〈音声記録には他の客の会話や雑音も多かったが、専門業者にノイズ除去を依頼して解析を進めると、あの夜の会話が次々に明らかになった。公益に資するため、証拠音声の公開に踏み切ることにした〉

詳しい話の内容はぜひ誌面でお読みいただきたいが、「事業が話題にあがった」のは間違いない。

19日、秋本局長の更迭が決まった。

『週刊新潮』(2月25日号)、今週になって「世論が恐くてポピュリズム 水に落ちた『森喜朗前会長』袋叩きのイヤな感じ」。

〈武士の情け、惻隠の情。日本が誇る寛容さはどこに消えたのか〉〈その「森喜朗叩き」、ちょっと待った!〉(リードより抜粋)

まことに仰せの通りだが、『新潮』なら、先週、これをやってほしかった。1週遅い!

締め切りの関係で「森前会長叩き」に後れをとった『週刊ポスト』(2・26/3・5スペシャル合併号)は、「東京五輪の不都合な真実」を特集。

その一本が「社説で『森辞めろ』と叫んでも、『中止』とは絶対書かない大新聞『読者に言えない五輪利権』」。

読売、朝日など大新聞が軒並み五輪のスポンサーになっており、しかも数十億円単位の広告収入が見込めるから、中止とは絶対に書けない、と。

鋭い指摘だ。

(月刊『Hanada』編集長)