深夜行列の天ぷら店が提訴 SNSでも誤解招くそっくり店

 27年には、大手焼き鳥チェーン「鳥貴族」が、後発の「鳥二郎」の運営会社を提訴。鳥二郎側は「飲食業界では数えきれないほどの模倣がなされてきた。自由競争の範囲内だ」と反論し驚かせたが、看板や店名の使用差し止めに至ることなく和解が成立している。

和解の気配なし

 看板やロゴといった標章の使用差し止めは、どういうケースで認められるのか。

 裁判での判例をみると、(1)消費者側が、模倣されたことで特定の店舗と誤認・混同している(2)模倣された店の意匠などを消費者が強く認知している(3)消費者側も、双方の店舗が似ていると認識している-の3点を原告側が訴訟で明らかにする必要がある。

 津本さん側は「40年近くも店を続けており、テレビや雑誌などで何度も紹介され、知名度もある。SNSでも誤解を招いている」として、類似した表示で混同させることを禁じた不正競争防止法2条1項に抵触していると主張。これに対し後発店側は「看板やメニューに模倣の意図はない」と反論しており、和解へ向かう気配はない。

 知的財産問題に詳しい辻本希世士弁護士は「部分的な模倣は自由競争のルールの中で、客を集める飲食店側の工夫と捉えることもできる」として、看板や内装などが極めて酷似している場合でない限り、使用差し止めが認められるのは難しいと説明。一方で、「他店が築いたブランドを勝手に偽造し、客を奪う行為は不正に他ならない」と話している。