学校現場で消えゆく「あだ名」 呼ぶ賛否

学校現場で消えゆく「あだ名」 呼ぶ賛否
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 子供が親しみを込めて友人を呼ぶ際に使う「あだ名」が近年、学校現場から消えつつある。人気漫画「ドラえもん」に登場するジャイアンなどがよく知られるが、小学校では名字に「さん」をつけて呼ぶのが望ましいとする指導が定着。平成25年に施行された「いじめ防止対策推進法」がこうした流れを加速させたとの見方もあるが、いじめは減っていないのが現状だ。(加納裕子)

 「先生の前では、男の子も女の子も『さん』付け。子供同士では下の名前で呼び合っています」。大阪府八尾市で小学3年と1年の姉妹を育てる女性(48)はそう話す。親しみやすいあだ名がないのは寂しい気もするが、自身の子供が嫌なあだ名で呼ばれるリスクを考えると「仕方がない」と感じるという。

 兵庫県内のベテラン小学校教諭によると、勤務先の学校では15年ほど前から、友達同士であっても校内では名字に「さん」を付けて呼ぶよう指導している。目的はいじめ防止もあるが、どの児童にも公平な授業スタイルという観点から始まったという。

 昨年10月ごろ、SNS上で「小学校の校則であだ名が禁止されている」と話題に。これを受けて、ネット調査を手がける「日本トレンドリサーチ」が同11月、男女1400人にインターネット調査したところ、小学校の校則であだ名が禁止されることについて、「賛成」は18・5%、「反対」は27・4%、半数以上の54・1%が「どちらでもない」と回答した。

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