ミャンマーで抗議の「市民不服従」が拡大 コロナ検査も激減

ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、軍政への抗議デモを行う人たち=18日(ゲッティ=共同)
ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、軍政への抗議デモを行う人たち=18日(ゲッティ=共同)

 【シンガポール=森浩】国軍がクーデターで実権を掌握したミャンマーで、国軍に抗議の意思を示すため職場を放棄する「市民不服従運動」が拡大している。中心となっているのは医療従事者で、新型コロナウイルスの検査件数が激減するなど地域医療に影響が出ている。国軍は職場への復帰を求めているが応じる動きは見られない。

 地元メディアによると、首都ネピドーで9日に行われたクーデターへの抗議デモに参加し、頭部に銃撃を受けて重体となっていた女性(20)が19日午前、死亡した。1日のクーデター以降、デモ隊に犠牲者が出たのは初めて。治安部隊に実弾で撃たれた可能性が高く、国軍への反発が強まることが予想される。

 不服従運動は3日頃から医療従事者を中心に始まり、鉄道や教育機関など幅広い分野に拡大した。一部警察官にも参加の動きが出ている。金融機関にもストライキが広がり、大手銀行の支店が閉鎖となった結果、現金不足に陥る企業が出ているもようだ。

 医療従事者のストの影響で、国内で休業状態の病院は100カ所以上に達した。人手不足により、クーデター前は1日当たり1万5千~2万件強で推移していた新型コロナの検査数は18日には889件に減少。新型コロナの累計感染者数が14万人を超えている中で、新規感染の動向を把握するのも難しい状況となった。1月27日から始まったワクチン接種への影響も懸念されている。

 国の電力・エネルギー省は約6割の職員が出勤をとりやめたとの報道もあり、不服従運動は中央官庁にも広がっている。国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官はテレビ演説で「国と国民の利益のために職務に復帰するよう求める」と呼びかけたが効果は出ておらず、国軍は不服従運動の参加者の訴追を進めている。

 国内では19日も全土でデモが展開され、最大都市ヤンゴンでは、治安当局が主要なデモ拠点となっている寺院「スーレーパゴダ」周辺をバリケードで立ち入り禁止にした。