話の肖像画

歌舞伎俳優・中村鴈治郎(62)(17)息子も私の母似かな

《長男の壱太郎さんは女形を中心に活躍している花形》

回遊魚みたいですよ。つねに走り回って行動している。止まったら死んでしまうんじゃないかな。そんな子です。なんでも自分でやって、抱え込んでしまう。そういうところはうちの母親(扇千景さん)に似ています。もうちょっと落ち着いてやったらって言いたくなりますね。若いから時間はたっぷりあるし、いまは歌舞伎の基礎をきちんと体にたたき込む時期ですから。

私自身は子供の頃、両親の学業優先の方針で、歌舞伎に必要な素養をあまり身につけることなく育ちました。それで若いとき苦労したので、壱太郎には一応、鳴物や三味線など一通りのことは習わせました。あとは彼自身の選択。幸い、驚くほど歌舞伎が大好きな子になりました。

息子とふたりで飲みに行くか?ですって。まさかまさか。誰が息子とふたりっきりで飲みたいですか(笑)。でも歌舞伎公演の初日の終演後は、両親もふくめ家族全員そろって食事をするのが習慣でした。(聞き手 亀岡典子)

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