中国近海で400以上の石炭密輸 北朝鮮が制裁破り

 【ニューヨーク=上塚真由】北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁決議に違反し、昨年1~9月に少なくとも250万トンの石炭を中国などに輸出したことが16日、明らかになった。安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの年次報告書の全文を産経新聞が入手。報告書では中朝で続く制裁破りの実態を追及している。

 安保理決議は、北朝鮮産の石炭の輸出を全面的に禁止している。報告書は、北朝鮮が昨年1~9月に中国近海で少なくとも400回にわたり石炭を密輸したと指摘。その大半は中国東部、浙江省・寧波の近海で海上で積み荷を移し替える「瀬取り」の手法を使ったという。報告書では、同年6月17日の衛星画像を添付し、約40隻の北朝鮮船や中国船が寧波の近海に集中する様子を詳報している。

 また、石油精製品についても「瀬取り」の手法で、昨年1~9月に少なくとも121回にわたって密輸したと指摘。輸入量は、タンカーの最大積載量の90%が使用されたと仮定した場合、計約440万バレルとなり、決議で定められた年間の上限(50万バレル)の8倍以上に及ぶとした。

 報告書によると、北朝鮮の制裁違反に中国の企業が関与している疑いも複数浮上。北朝鮮との合弁事業は禁止されているが、浙江省にある中国企業が、北朝鮮の貿易会社と合同で養鶏業や砂利の採取を行っているとの情報がある。中国東北部の遼寧省・丹東には北朝鮮向けのネット販売会社があり、電子機器や船舶などが扱われているという。