復興日本 東日本大震災10年

第2部 教訓(3)供給網、より多く太く

九州でも関連倒産

アイリスオーヤマのように、企業にとって被災後も速やかに事業を続けるため、サプライチェーンを強化する重要性に改めて気付かされたのが、平成23年の東日本大震災だった。それ以前の大規模災害に比べて被害範囲が広く、被災地から遠く離れた企業にも影響を及ぼしたからだ。

東京商工リサーチによると、東日本大震災に関連する倒産のうち、取引先や仕入れ先の被災による販路縮小などが影響した間接型の倒産が約9割に上った。倒産のペースを7年の阪神大震災と発生後2年経過時点で比べると約4.3倍にものぼる。地域別では東北に隣接する北海道や関東以外に四国や九州でも関連倒産が多数発生した。昨年2月末までに関連倒産がなかった都道府県は島根県だけだった。

日本政策投資銀行の鵜島崇主幹は「東日本大震災以降、事業継続力を評価する『BCM(ビジネス・コンティニュイティ・マネジメント)格付』を利用した融資が増えている」と明かす。この格付の評価項目では社内だけでなく、社外のサプライチェーンにまでリスク対策ができているかも問われる。資材などの調達先に対し事業継続計画(BCP)の策定を求める企業は年々増え、その証明書としてBCM格付が利用されている。

こうした背景について、鵜島氏は「地域や規模にかかわらず、どんな企業もサプライチェーンで取引を継続するためには、BCM対策がどんどん必要になってきている」と指摘する。

一方、サプライチェーンの強靱(きょうじん)化に取り組む企業を支援する電機メーカーなどのサービスも、東日本大震災を契機に進んでいる。東芝が提供する調達システム「マイスターSRM」もその一つだ。

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