法を理由に調査拒まれたいじめ 保育園児が失った時間(2/3ページ) - 産経ニュース

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法を理由に調査拒まれたいじめ 保育園児が失った時間

 園児が受けた行為について、市のいじめ対策推進室は昨年9月、いじめであると認定し、保育園を所管する市幼児政策課に助言したが、同課は、いじめ防止対策推進法の対象が小学生以上であることを主張し、調査や報告はされなかった。行為についても「いじめには当たらず、園の対応は何一つ間違っていない」と強調した。

 精神的に追い詰められた園児は円形脱毛症や夜中にフラッシュバックを起こして飛び起きるなどの症状に苦しみ、今も不登園状態が続いている。

 園児と両親は、昨年12月、園児が性別違和を訴えた事実などを大津市が市のホームページに許可なく掲載したとして市に削除を求める訴訟を大津地裁に起こしたが、市は今年1月18日に削除。園児側も1月29日に訴訟を取り下げた。

 市や園は昨年11月、突然いじめを認め、対応について謝罪したが、園が独自にまとめた報告書の内容は不十分で母親は「子供が危険な状態になってから認めても…失われた時間は取り戻すことはできない」と批判している。

園に“認知のゆがみ”

 そもそも子供の間でのいじめをなくすにはどうすればよいのか。学校などの教育現場には、「(加害者が)目的を達成するためにいじめを行うなら仕方ない」「いじめられる相手にも非があれば、いじめを受けても仕方がない」との心的機能が作用し、いじめを許容してしまう恐れがあるという。

 いじめや子供の攻撃行動に詳しい甲南大文学部の大西彩子准教授(心理学)は、「こうした心的機能は心理学では認知のゆがみといい、教育現場などは特に注意しなければならない」と指摘する。