法を理由に調査拒まれたいじめ 保育園児が失った時間(1/3ページ) - 産経ニュース

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法を理由に調査拒まれたいじめ 保育園児が失った時間

法を理由に調査拒まれたいじめ 保育園児が失った時間
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 大津市の市立保育園に通う園児(6)が約1年半、ほかの園児から暴力や暴言を受け、市や園側も認めたにもかかわらず、いじめ防止対策推進法の対象に園児が含まれていないことから、十分な調査が行われない事態が続いている。母親(35)は今月、同法の重大事態に準じた調査検証や再発防止策を市に要請、「年齢に関係なく、大人が苦しんでいる子供を守るべきだ」と訴えている。(清水更沙)

「ママごめんね…」

 園児は体は「男の子」だが、心は「女の子」という性自認を持ち、スカートをはくなどして登園していた。こうした行動をきっかけにほかの園児から「おとこおんな」「うそつき」などと言われ、一昨年の5月ごろから毎日のように暴言や暴力をふるわれるようになったという。

 昨年4月、園児は「ママ、ごめんね」と申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。母親と園児がその前日に手作りしたクレヨン箱のふたを、ほかの園児が「それをくれないと殺すぞ」「ぼこぼこにするぞ」と言って奪い、切り刻んだのだという。園児は「ママと一緒に作ったのに、びりびりに切られてごめんね」「ぼこぼこにされると痛いし、やだ。仲間外れにもされたくなかった」と説明した。

「言っても無駄だ」

 母親は園長や担任に相談したが、園は加害園児について「成長過程で、今学んでいるところ。じゃれあいだ」「『もやもやしているから』など暴力にも理由がある」と繰り返したうえ、「後から言われても分からない」とも主張した。しかし、園児本人が直接いじめ被害を訴えても、状況が変わることはなかったといい、母親は「『先生に言っても無駄だ』と園に対して不信感が募っていった」と振り返る。