乳児挟まれ死亡、ベッド柵に「欠陥」 両親、ベビーメーカーを提訴 消費者庁も注意喚起

乳児挟まれ死亡、ベッド柵に「欠陥」 両親、ベビーメーカーを提訴 消費者庁も注意喚起
乳児挟まれ死亡、ベッド柵に「欠陥」 両親、ベビーメーカーを提訴 消費者庁も注意喚起
その他の写真を見る (1/2枚)

 ベッドに取り付ける転落防止柵「ベッドガード」とマットレスの間に挟まった生後9カ月の長男が死亡したのは、防止柵の欠陥が原因だとして、両親が12日、製造したベビー用品メーカー「カトージ」(愛知県)に計約9300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、長男は平成29年8月、東京都世田谷区の自宅で、同社のベッドガードを装着した大人用ベッドで寝ていた際、ベッドガードとマットレスの隙間に転落。体が挟まった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。長男は寝返りを打ち始めた時期で、母親が別の子供を世話していた約2時間半の間に挟まったとみられる。

 両親側は、ベッドガードは隙間が生じやすく、製造物責任法上の欠陥があると主張。取扱説明書には「生後18カ月から5歳くらい」の子供に使用するよう記載があったが、具体的な危険性が示されておらず警告表示も不十分としている。

 提訴後に会見した父親(42)は、ベッドガードを「赤ちゃんにおすすめ」などとするインターネット上の記載を見て選んだといい「息子を守れなかった責任は私たちにあるが、死の危険があると認識していれば買わなかった。(訴訟が)全てのベビーメーカーや利用者に、安全について考えてもらうきっかけになれば」と話した。

 カトージは「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

 消費者庁などによると、ベッドガードに乳児が挟まれて死亡した事故は、今回の約1カ月後にも発生。28年には一時窒息状態になった例もあった。ほかに壁との隙間やベビーベッドの柵の間に挟まるなど、6歳以下の子供がベッドから転落する事故は、27年1月~令和2年9月に912件報告されたといい、注意を呼び掛けている。

会員限定記事会員サービス詳細