鑑賞眼

歌舞伎座「連獅子」 中村屋四代に思い馳せ

 今回の追善では孫の六代目勘九郎が親獅子を、勘九郎の息子で曽孫に当たる勘太郎が仔獅子を演じている。しかも勘太郎は、約1カ月に渡る本興行では史上最年少となる9歳。親獅子よりひと回りも、ふた回りも小さい身体の仔獅子。

 大人の演者は、毛振りをするとき腰で振る。しかしまだあどけなさが残る少年の足腰には、成人男性のような筋力が十分に付いていない。「巴」(毛を回転させる)と呼ばれる毛振りで、頭を思いっきり後ろにのけ反らせながら必死に親獅子の動きに食らいついていた。その姿がけなげでもあり、頼もしくもあり、胸が熱くなった。

 「祖父と父が築き上げた中村屋の連獅子をつなげることができてうれしい」と話していた勘九郎。こちらも「中村屋四代の連獅子を見ることができてうれしい」。親から子へと連綿と受け継がれる歌舞伎の伝統のすごさ、そしてその重さを前に、心の中でただ、ただ平伏するばかりだった。

 2月2~27日(8、18日休演)、東京都中央区の歌舞伎座。チケットホン松竹0570・000・489。(水沼啓子)

 公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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