【通崎好みつれづれ】感性に寄り添う 京の額縁屋(1/2ページ) - 産経ニュース

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通崎好みつれづれ

感性に寄り添う 京の額縁屋

【通崎好みつれづれ】感性に寄り添う 京の額縁屋
【通崎好みつれづれ】感性に寄り添う 京の額縁屋
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 年末、友人から「いい額縁屋さん知らん?」と尋ねられた。知人の画家に聞けば、自作かインターネットで注文するという。買い慣れない者には、あまり現実的ではない。そういえば、近所に額縁屋さんがあったな、と「中川ガクブチ」(京都市下京区)をのぞいてみた。「子供の絵を飾りたい」と来店された小学生の女の子とお父さんへの接客中。その丁寧な対応ぶりを見て、友人に「感じよさそうなお店があるよ」と伝えた。

 私の勘はどんぴしゃり。中川ガクブチの中川敏行さん(59)は、友人所有の6つの版画の額装を年内に間に合わせ配達。飾り付けまで手伝ってくださったそうだ。その後ホームページを見て驚いた。「京都で一番古い額縁屋」とある。さっそく話を聞いてみた。

 西洋スタイルの額縁が普及し始めた明治時代、敏行さんの曽祖父・清太郎さんは神戸の額縁屋で働いていた。その技術を継ぎ、大正末期、祖父・治三郎さんが神戸で額縁屋「中川商店」を始める。後に店を京都・中京区の実家に移し、大正12年生まれの父・健一さんら兄弟3人が商売を広げた。敏行さんと兄・清治(せいじ)さん(69)は、ごく自然に後を継ぐことになる。

 額装するのは、絵画のほか、趣味で制作した押し花や七宝(しっぽう)、あるいは記念のメダルや勲章、有名選手のサイン入りユニホームなどさまざま。敏行さんは「お客さん自身がいい気持ちになったものを持って来られるのだから、こちらも気分がよい」と話す。