富士山にLRT建設 山梨県検討会が登山鉄道構想了承へ

富士山登山鉄道構想のイメージ図(山梨県提供)
富士山登山鉄道構想のイメージ図(山梨県提供)

 富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ富士山登山鉄道構想の実現可能性を議論してきた県の検討会(会長・御手洗冨士夫経団連名誉会長)の総会が8日午後4時から国会内で開かれる。既設の有料道路「富士スバルライン」に次世代型路面電車(LRT)を走らせる構想を了承する見通しだ。

 富士山は2013(平成25)年に世界文化遺産に登録される際、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から来訪者抑制の必要性や排ガスへの懸念が指摘された。

 これに応え、構想は「自動車から登山鉄道への転換」を打ち出し、ルートは新たな開発が不要なスバルラインの利用が最も優位性が高いとした。緊急車両など以外の車の通行を禁止する。

 事業主体は民間を想定。往復運賃を1万円とした場合、年間約300万人の利用を見込んでいる。山梨県は今後、静岡県などに報告した上でユネスコの了承を得る方針だ。

 構想案の要旨は次の通り。

 ▼1 5合目アクセス交通の在り方

 (1)見直しの必要性

 来訪者数の増加に伴い環境負荷が懸念▽交通アクセスの在り方は来訪者の動態に影響

 (2)必要な視点

 地球温暖化対策▽感染症対策▽富士山の保存と適切な利用の高次元での調和

 (3)システムの比較

 法制度への適合性▽氷雪対応▽緊急車両の通行▽安全性・快適性-などから富士スバルラインへの次世代型路面電車(LRT)の軌道敷設が優位

 ▼2 導入の基本方針

 (1)自動車から登山鉄道への転換

 既存の道路活用▽許可車両以外の通行規制▽架線レスなど先進技術導入

 (2)富士山の価値保全と付加価値の向上

 来訪者数を一定水準に抑制▽鉄道ならではの上質な付加価値提供▽付加価値の富士山や地域への還元

 (3)富士山の課題解決への貢献

 ライフライン整備検討▽信仰の対象にふさわしい5合目空間の在り方検討▽四季を通じた来訪者分散