「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

怪物ルーキー佐藤輝のオーラ本物か…自ら答え出せ

 佐藤輝もプロに入って、初めて参加した春季キャンプの第1クールを終えた段階です。どこかに未熟な部分や欠点はあるはずです。そうした陰の部分を規格外のパワーやスピードという光が覆い隠すならば、未来に向けて致命的な影が差すというわけではないですね。

与えられた時間は多くはない

 ただし、佐藤輝にはそんなに与えられた時間は多くはありません。それはチーム事情という背景から見て取れます。今季のチームスローガンは「挑む 超える 頂へ」ですね。矢野監督自身がスローガンの発表の際に語った中で、最後の部分にはこう記されています。

 「最後に『頂』へ。これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位となり、来季(2021年)はもちろん『頂』しかありません。チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、頂点に立ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、『常にトップに立つ』を意識していきます」 つまり今季の矢野阪神は「育成」ではなく「勝つ」ことを百パーセント意識して戦うということですね。監督自身は3年契約の最終年でもあります。「悲願の優勝」という結果を出さなければならない「勝負の年」でもあるでしょう。

 ならば、怪物ルーキーに対しても「育てる」時間をそんなには与えられないはずです。もし、これまで触れてきたさまざまな「批評」が佐藤輝の打撃に影をもたらして、結果の出ない日々が続くとなれば、実戦の中でそんなに怪物ルーキーにこだわれる時間はないでしょう。

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