「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

怪物ルーキー佐藤輝のオーラ本物か…自ら答え出せ

紅白戦に出場した阪神・佐藤輝明=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・森田達也)
紅白戦に出場した阪神・佐藤輝明=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・森田達也)

怪物ルーキー佐藤輝明内野手(21)=近大=は光を輝かせるのか、影に包まれるのか-。3月26日、開幕戦(ヤクルト戦=神宮)スタメンを勝ち取るためには沖縄・宜野座春季キャンプで早くも流れ始めたさまざまな批評を吹き飛ばさなくてはなりません。187センチ、94キロという圧倒的な体格から醸し出される雰囲気はソフトバンク、巨人、オリックスと阪神がドラフト1位で競合(阪神が交渉権を獲得)した逸材であることを如実に示しています。規格外のパワーとスピードは矢野燿大監督(52)ら首脳陣も大絶賛ですが、一方で打撃練習を見たチーム内外からは懸念の声も…。プロ野球の成功者になるための試練はもう始まっているのです。

立派な体格と醸し出すオーラ

予想通りというか、誰が見ても当然の成り行きというか…。2021年の阪神の沖縄・宜野座春季キャンプはドラフト1位指名の怪物ルーキー佐藤輝の話題で持ち切りです。キャンプ初日のフリー打撃でいきなり柵越えを連発すると、第1クール4日間での屋外のフリー打撃では、合計555スイングで71本の柵越えです。最高飛距離は推定145メートル。バックスクリーンの電光掲示板の屋根にバウンドさせる、驚愕(きょうがく)の場外弾を放ちました。

12球団最速の実戦となった4日の紅白戦では白軍の1番左翼でデビュー。二ゴロ、一ゴロ、三振と3打数無安打の結果ながら、持ち前のフルスイングは見る側の全ての人に迫力を伝えていました。

自らが交渉権確定のクジを引き当てた矢野監督も満足そうに「自分の形、タイミングでスイングができていた。大したもん。僕らの楽しみが増えるような打席やスイングが多かった」と話していました。

ネット裏で観察していた他球団のスコアラーも一様に警戒の色を強め、「やはりパワーはすごいね。反対方向(左翼)にもほうり込める力がある」「これからシーズン開幕まで継続的に見ていきたい。注意しなければならない存在になる」などなど…絶賛&警戒のコメントであふれていました。

「自分の課題である確率良く打つっていうところをもっと上げていくため、コーチのアドバイスや指導だったりをしっかり聞いてやっていきたいと思います。しっかりシーズンを戦っていけるように練習頑張っていきます。温かく見守ってください」

春季キャンプ初の休日(5日)では宿舎付近を散策し、英気を養った佐藤輝は緊張の第1クールを振り返るとともに、これから本格化するキャンプに向けて決意を話していました。このままスクスクと成長し、近未来に阪神のクリーンアップを担うような存在になってほしいものです。それだけの期待感が187センチ、94キロという立派な体格と醸し出されるオーラから湧き出てきていますね。

課題は内角を中心に高めに強く、早い球?

しかし、プロ野球は厳しい世界です。過去にも大物ルーキーと期待されながらプロの壁にはね返され、結果を残せなかった選手も数多く見てきました。当然ながら怪物・佐藤輝の将来にも光と影の2つの可能性があるのでしょう。

4日間の練習で見せた佐藤輝の打撃フォーム。フリー打撃だけでも555スイングを見た全ての関係者の中には、当然ながら「懸念」を口にする人もいます。チーム内外に…。

まずチーム外から漏れてきた声を拾うと-。

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