北方領土「法的根拠なく占拠」表現復活 返還大会アピール

ネット配信で行われた「北方領土返還要求全国大会」で、ビデオメッセージで挨拶する菅義偉首相=7日午後、東京都渋谷区(萩原悠久人撮影)
ネット配信で行われた「北方領土返還要求全国大会」で、ビデオメッセージで挨拶する菅義偉首相=7日午後、東京都渋谷区(萩原悠久人撮影)

 「北方領土の日」の7日、政府や関係団体は東京都内で「北方領土返還要求全国大会」を開催した。採択されたアピールは北方四島について「法的根拠のないままに75年間占拠され続けている」と主張した。菅義偉首相はビデオメッセージで、北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結に向け、着実に交渉を進める考えを示した。

 アピールは昨年まで2年連続で北方四島が「不法に占拠」されたとの表現を使用していなかった。ロシアが四島の領有権を主張する中、首脳間交渉に影響するのを避けたためだが、今回、復活した。

 首相はメッセージで「私の内閣でも2018(平成30)年のシンガポールでの首脳会談のやり取りは引き継いでおり、これまでの両国間の諸合意を踏まえ今後も着実に交渉を進めていく」と述べた。

 安倍晋三前首相とプーチン大統領はシンガポールでの会談で、条約締結後に歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島を日本に引き渡すとした昭和31年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速すると確認。「2島返還」を先行する方針に転換したと受け止められた。大会は新型コロナウイルス感染拡大を受け無観客で行われた。