浪速風

新型コロナ 春は来る

2月の寒さはなお厳しい。だが暦の上ではすでに立春の文字を見た。散歩の道すがら、つい春の気配を探す。ロウバイが柔らかい黄色の花を付けている。手元の歳時記では冬の季語だが、この花を見ると遠からぬ春を感じるのが常である。

▶梅も紅白の花をちらほらと。満開には遠いが、冬枯れた景色の中に色づいた花を見つけるのは、ささやかな喜びである。「早春の、というより、春を待ち切れないようにして咲く花には、元気で健気(けなげ)で、しかもあどけないといった共通の表情があって、小さい花でも見ていて飽きない」(串田孫一「春を呼ぶ声・春を告げる花」=「日本の名随筆17 春」より)

▶新型コロナウイルスの緊急事態宣言が10都府県で延長されての週末となった。困難な時はいましばらく続く。さまざまな逆境に耐える人たちに、せめて早春の梅一輪を文章で送りたい。ワクチン接種の準備も進んでいる。冬のあとには必ず春が来る。