大阪市独自協力金に店歓迎 時短要請は「高齢者ワクチン接種完了まで」 - 産経ニュース

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大阪市独自協力金に店歓迎 時短要請は「高齢者ワクチン接種完了まで」

緊急事態宣言の影響が続く大阪・ミナミの繁華街=5日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)
緊急事態宣言の影響が続く大阪・ミナミの繁華街=5日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う営業時間の短縮要請をめぐり、大阪市は緊急事態宣言解除後に独自の上乗せ支援を行う検討に入った。事業規模に応じて差をつける内容が想定されている。現状の一律支給に不公平を感じていた飲食店は歓迎する一方、店舗実態の確認や支給手続きが煩雑になる恐れを指摘する声もあり、制度設計の行方が注目される。

 「規模の小さな店や昼間の営業が中心の店と比べると、一律支援は不公平だと感じていた。規模に応じた支援になればありがたい」。こう話すのは、大阪を中心に串カツ専門店を展開する「一門会」(同市浪速区)取締役の藪口征平さん(42)。運営する店舗のうち大阪・ミナミの「串かつだるま道頓堀店」は1、2階で計約90席あり、感染拡大前は1日800~千人の来客があった。

 だが、宣言後は時短営業とし、現在の来客は1日60~80人程度。売り上げは前年同期比8割減となった。藪口さんは「一等地で経営しているので家賃は月300万円以上。協力金では賄えず、赤字経営が続いていた」と打ち明ける。

 また、ミナミでカウンター中心の12席の創作居酒屋を経営する男性(57)は「店舗に応じた支援に反対はしないが、小さな店舗にもしっかり支援してほしい」と注文を付けた。

 飲食店への協力金は現在、1店舗当たり、宣言の対象地域で1日最大6万円、それ以外は最大4万円と定められている。事業規模に関係なく一律支給されるため、1日の売り上げが6万円を超える店などが不公平感を訴えていた。

 これに関連し、大阪市の松井一郎市長は4日、「(大阪府北部の)能勢町と(市内の繁華街の)ミナミや北新地では家賃が全然違い、不公平感がある」とし、宣言解除後も事業規模に応じた独自の協力金を支給すると表明。具体的な基準はこれから定めるが、手法としては、店側から審査に必要な書面などを提出してもらい上乗せ額を決めることを検討中という。

 独自支援の前提として、松井氏には、感染状況次第で市内の飲食店への時短要請を続けるべきだとの考えがある。松井氏は「重症化リスクのある高齢者のワクチン接種が完了するのが目安だ」と言及。大阪府では高齢者へのワクチン接種は4月から始めて3カ月程度はかかると見込まれており、市内の飲食店に対する何らかの要請は夏頃まで続く可能性もある。

 近畿大の上崎哉(はじめ)教授(行政学)は「営業実態に合った協力金が支払われることは望ましい。廃業や失業を防ぐ上でも一定の効果が期待できる」と評価。一方、「各店舗に合わせた支払いになると事務的な作業が増える。必要な支援が必要な時に届くように、役所側も増員や手続きをスムーズに行う工夫が必要だ」と指摘している。