新たなヤミ金手口か「後払い現金化」相談相次ぐ 専門家「法規制を」   - 産経ニュース

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新たなヤミ金手口か「後払い現金化」相談相次ぐ 専門家「法規制を」  

新たなヤミ金手口か「後払い現金化」相談相次ぐ 専門家「法規制を」  
新たなヤミ金手口か「後払い現金化」相談相次ぐ 専門家「法規制を」  
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 二束三文の商品にあえて高い値を付けて代金後払いで販売し、販売価格の何割かを即座にキャッシュバックする形で、現金を融通する業者が増えている。規制の穴を突いた新たなヤミ金手口とも指摘され、こうした商法は「後払い現金化」と呼ばれる。新型コロナウイルス感染拡大による収入減を補うために業者を利用して、借金苦に陥った人もいるといい、多重債務者の支援団体では、法規制の対象に加えるべきだと訴えている。(杉侑里香)

昨年秋以降に相談増

 「月ごとの収入があればブラック、クレカなしでもOK」「消費者金融やカードローンといった借入ではありません」

 インターネットで「後払い現金化」を検索すると、金融業者ではないとうたいながらも、現金の融通を持ちかける文言がズラリと並ぶ。

 多重債務者らを支援する「大阪クレサラ・貧困被害をなくす会」(大阪いちょうの会)によると昨年秋以降、こうした形で現金を融通する業者が急増。同会には利用者からの相談が20件以上寄せられているという。

 たとえば、すぐに現金2万円を必要とする人がこれらの業者を利用した場合は、こんな流れとなる。

 サイト上の手順に従って個人情報を入力し、欲しいわけでもない風景写真を4万円の後払いで購入する手続きを踏む。写真データが「商品」として手元に届くと、その日のうちに「キャッシュバック」として2万円が振り込まれる。給料日になり現金が入れば、「購入代金」の4万円を業者に支払う。

 「購入代金」を支払えないと訴えたところ、業者に「個人情報をネット上にさらす」などと脅された人もいるという。

「商品」価値はほぼゼロ

 このケースでは、「キャッシュバック」(2万円)された2倍の額を「商品」の「購入代金」(4万円)として業者に支払うことになる。これらが貸金業と認定されれば年利は利息制限法の上限(20%)をはるかに上回るため、警察の摘発対象となるのは明らかだ。

 「商品」として利用されるのは風景写真のほか、ゴルフレッスンの解説文やギャンブル攻略法のデータなど。いずれも金銭的な価値はほとんどゼロで、同会の植田勝博弁護士は「実態は商品売買を隠れみのにした高利貸。ヤミ金融にも該当し、出資法などの各種法律に違反するのは明らかだ」と話す。

「給料ファクタリング」に代わり台頭

 近年のヤミ金融の手口としては一昨年から昨年初めにかけて、将来の給料を担保に現金を融通する「給料ファクタリング」が横行した。社会問題化した結果、金融庁は貸金業に当たると判断し、警察当局が摘発を強化したため、昨年夏ごろには衰退。代わって台頭したのが「後払い現金化」だったとされる。同会によると「給料ファクタリング」から「後払い現金化」に転換した業者もあるという。

 同会の前田勝範司法書士によると、多重債務者のほか、コロナの影響で収入減となった人が当座の資金繰りのため「後払い現金化」に手を出して苦しむ例もあるといい、「実態が違法なヤミ金だと気づかないまま利用する人も多い。業者の実態把握を進め、民事訴訟の提起や規制強化の必要性を訴えていく」と話している。

 大阪いちょうの会は、6日午前10時~午後5時に弁護士や司法書士による電話相談会「新型ヤミ金(後払い・ツケ払い現金化サービス等)被害110番」(06・6361・0546)を実施する。相談無料。