言う方も言う方だが、報じる方も報じる方ではないか。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が日本オリンピック委員会の臨時評議員会で「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」と発言した問題のことである。女性蔑視だとして国内外から批判の声が高まり、森会長は4日に「不適切な発言だった。深く反省している。撤回したい」と陳謝した
▶「綸言汗の如し」の綸言は天子の言葉の意味だが、組織委員会のトップの発言も当然重い。簡単に、なかったことにできると思われては困る。ただし、今回の舌禍と東京五輪・パラリンピックの開催可否を結びつけるのはどうか
▶開催できるかどうかはあくまで、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて判断すべきである。森会長が辞任したからといって、コロナ感染が収束に向かうわけではない。「辞任しないと、開催できませんよ」とでも言いたげなげなワイドショーは、何を目指しているのだろう。