〈独自〉相続人なく遺産漂流 国へ603億円、少子高齢化時代反映

〈独自〉相続人なく遺産漂流 国へ603億円、少子高齢化時代反映
〈独自〉相続人なく遺産漂流 国へ603億円、少子高齢化時代反映
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 財産を残して死亡したものの相続人がおらず、換金の末に国が引き取った遺産の額が昨年度は603億円に達し、わずか4年の短期間で約1・4倍に急増したことが4日、最高裁への取材で分かった。少子高齢化の影響とみられる。遺産を残した人の思いとは裏腹に、国による「相続」を阻もうとした身内が、遺言書を偽造するなど不正に手を染めるケースもある。自らの死後、誰に何をどれだけ渡したいのか。早めの相続準備が求められている。(土屋宏剛)

4年で1・4倍に

 故人が遺言書を残さず死亡した場合、民法の規定に基づき、遺産は「法定相続人」が分割で相続する。配偶者は常に相続人となり、ほかの血族については子、孫、親などの順で相続。兄弟姉妹が死亡していれば、その子に当たる甥(おい)や姪(めい)にも相続権があるものの、遺言書がある場合を除き、いとこを含む遠縁の親族には権利がない。

 相続人が存在しない遺産については、行政機関などの申し立てを受け、家庭裁判所が選任する相続財産管理人が整理。法定相続人のほか、内縁の妻や、介護を続けた「特別縁故者」がいないことを改めて確認し、不動産などは現金化した上で国庫に入れる。ある法曹関係者は「少子高齢化を背景に、身近な親族や晩年の世話をしてくれる人がいないまま亡くなる人は増えている」と説明する。

 最高裁によると、相続人不在で国が「相続」した遺産の金額は、右肩上がりで増加。平成27年度は約420億円だったが、30年度は過去最高額の約627億円に。昨年度は約603億円と前年よりもわずかに減少したものの、対27年度比で約1・4倍に増えた。

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