コロナ禍が招く新たな交通事故 カギはマナー向上 - 産経ニュース

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コロナ禍が招く新たな交通事故 カギはマナー向上

新型コロナウイルスの収束を見据え、交通マナーの見直しが求められている
新型コロナウイルスの収束を見据え、交通マナーの見直しが求められている

 令和2年の全国の交通事故死者数は2839人で、前年より376人減少し、統計を始めた昭和23年以降、最少となったことが警察庁のまとめで分かった。事故件数は全国で30万9千件、負傷者数は36万8601人と、ともに前年比2割減少。大阪府でも事故件数▽交通事故死者数▽負傷者数-がいずれも過去最少となった。

 背景には、シートベルト着用率の上昇やエアバッグの普及などといった安全意識や安全性の向上がある。交通事故件数や死傷者数は減少傾向にあるという。

 さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた自粛生活で交通量が大幅に減ったことも要因の一つとみられる。とりわけ、緊急事態宣言が発出された昨年4~5月は顕著で、府内では前年同時期比で4割減と減り幅が最も大きかった。

 その一方で、交通事故による死者数は、東京など11都県で増加した。交通量が減ったことで、車がスピードを出しやすい環境にあったことが影響しているとの指摘がある。

 また、大阪府内で起きた事故の内訳をみると、自転車とバイク利用者の死者数が増加。コロナ禍で混雑するバスや電車といった公共交通機関の代わりに、自転車やバイクの利用が増えたことが関係している可能性がある。さらに、コロナ禍で需要が増えた出前の配達員による携帯電話を見ながらの「ながら運転」や速度超なども散見されている。

 歩行者側も、マナーの悪さが目立った。大阪府内では信号無視による死亡者の割合が全体の25%と急増。歩行者や自転車側の信号無視で亡くなった人の大半が高齢者だった。

 こうした事態を踏まえ大阪府警は、出前配達大手「ウーバーイーツ」の配達員に自転車のマナー研修会を開いたり、歩行者の交通マナーを向上するためにオンラインで交通安全教室を開いたりしている。府警幹部は「マナーの悪さは交通事故に直結する。歩行者と運転者双方の意識向上に取り組みたい」と力を込める。

 コロナが収束すれば、人出は確実に増える。そのときに安全に対する意識が希薄であれば、事故が急増する恐れもある。歩行者は横断歩道を信号に従って渡っているか、ドライバーは速度を超過して運転していないか。今こそ、日ごろの交通マナーを改めて見直すべきだ。(木下未希)