富士山登山鉄道の遺産影響評価、山梨県が実施 学術委の要求に応じる

富士山登山鉄道構想の最終案の一部(渡辺浩撮影)
富士山登山鉄道構想の最終案の一部(渡辺浩撮影)

 富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ富士山登山鉄道について、県は2日、構想の最終案を明らかにした。山梨、静岡両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会の学術委員会(委員長・遠山敦子元文部科学相)から求められていた「遺産影響評価」について「県が中心となって行う」と明記した。

 影響評価は国連教育科学文化機関(ユネスコ)が世界遺産条約締結国に対し、開発計画前の実施を定めている。学術委は昨年10月、県に評価の実施を求めたが、県は「評価は事業主体が行う。現段階では登山鉄道の実現も事業主体も決まっていない」との認識を示していた。

 静岡県の川勝平太知事は「学術委を説得したとは到底思えない」と山梨側の対応を疑問視しており、学術委の理解が課題となっている。このため県は、学術委と課題を議論する中で構想段階の影響評価を行うことを決めた。

 最終案は昨年12月の素案から大きな変更はなく、富士スバルライン上に次世代型路面電車(LRT)を走らせるとしている。県は案が8日の検討会総会で了承された後、静岡県への説明を行うとしている。