香港の民主派関係者の間には、バイデン米政権に対して「期待派」と「不安派」の両方があり、固唾をのんで米国の動きを見守る。同政権は民主主義や人権を重視する外交を展開すると公言しているものの、中国や香港当局の厳しい民主派弾圧に対し、具体的にどのような手を打つかが見えてこないからだ。
香港終審法院(最高裁)は1日、香港国家安全維持法(国安法)違反と詐欺罪で起訴された大手紙、蘋果(ひんか)日報の創業者で実業家の黎智英(れい・ちえい)=ジミー・ライ=氏について、保釈に関する香港高等法院(高裁)の決定に関する審理を行い、最終判断を後日、宣告すると発表。収監は継続された。
この結果について、黎氏を支援する台湾在住の香港人弁護士、桑普(さん・ふ)氏は「今の香港の司法は完全に中国にコントロールされており、黎氏はこれからの裁判で無期懲役を含む重い判決が下される可能性がある」と指摘。その上で「中国に圧力を加えられるのは米国だけだが、バイデン政権は今のところこの件について何もしていない」と嘆いた。