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スー・チー氏、拘束 ミャンマー 国軍「選挙で不正」を主張 クーデターか

アウン・サン・スー・チー氏(ロイター)
アウン・サン・スー・チー氏(ロイター)

 【シンガポール=森浩】ミャンマー与党、国民民主連盟(NLD)の報道官は1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が首都ネピドーで国軍に拘束されたと明らかにした。ウィン・ミン大統領やその他のNLD関係者も拘束されたもようだ。NLDが圧勝した昨年11月の総選挙結果に反発していた国軍がクーデターに踏み切った可能性がある。

 ミャンマー国内からの情報によると、スー・チー氏は1日未明に拘束されたという。国内ではテレビとラジオの通常放送ができなくなっており、国軍が電波を遮断している可能性がある。最大都市ヤンゴンの市庁舎付近では国軍兵士が配備された様子が目撃されている。

 総選挙では、NLDが連邦議会の上下両院で改選分の83%に当たる396議席を獲得した。国軍系政党、連邦団結発展党(USDP)は前回を下回る33議席にとどまった。

 結果に反発する国軍は1月26日に記者会見を開き、二重投票など約860万人分の不正投票が行われたと主張し、NLDと選挙管理委員会を批判した。不正の証拠は明示していない。会見で記者からクーデターを起こす可能性を問われると、国軍の報道官は「ないとは言えない」と否定しなかった。ミン・アウン・フライン国軍総司令官も27日、現行憲法の廃止に言及するなど緊張が高まっていた。

 ミャンマーでは総選挙後初の議会が1日に招集され、第2次NLD政権が発足する予定だった。

 半世紀以上にわたって軍事政権が続いたミャンマーでは、2015年の総選挙でNLDが勝利し、16年に文民政権が成立した。総議席数(上下両院で664)の4分の1の「軍人枠」があるなど国軍は今も政治に影響力を保持しているが、スー・チー氏の高い人気もあってその求心力は低下している。国内の主導権を再度握るため、強硬策に乗り出した可能性がある。

 ミャンマー政界をめぐっては、国連のグテレス事務総長が28日、「大きな懸念を抱いている」とする声明を発表し、国軍に選挙結果の順守を求めていた。在ミャンマーの欧米諸国の大使館も国軍に自制を求める声明を出す異例の展開となっていた。

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