世界の論点

核兵器禁止条約発効 仏紙は「理想と現実」の乖離を問題視

NZメディアは核禁条約発効を喜ぶ市民の様子を伝えた。豪メルボルン大准教授は1月22日付のNZオンラインメディア「スタッフ」などを通じ、条約批准国は「核保有国が半世紀以上にわたって、世界から核兵器を排除する義務を怠ってきたことにうんざりしていた」と指摘した。核禁条約を「ゲームチェンジャー(局面を一変させる存在)」と表現した上で、「核兵器を近代化し維持する計画は危険にさらされている。条約は必要かつ重要な一歩だ」と発効を歓迎した。

核保有国には拘束力が及ばないため条約の実効性には疑問の声が上がるが、記事は新条約がもたらす不参加国への波及効果にも言及。国防政策や軍事計画のほか核兵器の製造・維持に関連する企業への投資判断などにも広く影響を与えると期待を寄せた。

参加を見送った日本やオーストラリアなどに対しては、核禁条約は「核保有国との軍事協力を妨げるものではない」と指摘し、「核の傘」に依存しない形での安全保障体制の構築を促した。

NZ政府も歓迎する意向を示した。トワイフォード軍縮・軍備管理相は22日の演説で、核禁条約をめぐってNZ政府が果たした役割を強調した上で、「もちろん核保有国がすぐに核兵器を手放すわけではない。しかし、(条約の存在は)『核兵器が私たちをより安全にしてくれる』という議論の維持を難しくさせるだろう」と述べた。

一方で、トワイフォード氏は核戦争勃発への危機感が高まっていた冷戦期と比べ、核兵器や核軍縮への国際的関心が低くなっていることにも触れた。「現在は、主に気候変動の影響を含む環境面での惨事に焦点が当たっている。NZ国内でも一般市民やメディアの関心が低下していることは明らかだ」と述べ、核軍縮に向け再度の機運醸成が必要だとの見方を示した。(シンガポール 森浩)

会員限定記事会員サービス詳細