一山、日本新ならず「力が足りなかった」 大阪国際女子マラソン

大阪国際女子マラソンを大会記録で制した一山麻緒。日本新はならなかった=1月31日、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居(鳥越瑞絵撮影)
大阪国際女子マラソンを大会記録で制した一山麻緒。日本新はならなかった=1月31日、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居(鳥越瑞絵撮影)

 やはり日本記録の壁は高かった。31日行われた大阪国際女子マラソンで、五輪代表の一山麻緒(ワコール)は前半はペースメーカーにリズムを合わせて走ったが「24~25キロから余裕がなくなってきた」。35キロを過ぎてから少し盛り返したが、2時間20分29秒の自己ベストにも届かず。記録への強いこだわりを持っていただけに「力が足りなかったというのが正直な気持ち」と率直な思いを口にした。

 終盤はペースメーカーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)からも「頑張れ」「行けるぞ」と何度も励まされた。ただ、前半のハイペースの影響もあって「終盤は呼吸が苦しくなる山が3回ぐらいきた」と振り返る。ゴール後、支えてくれたチームスタッフへの感謝の思いを口にすると、少し涙がにじんだ。

 今大会に向けて、ペース設定を上回る1キロ走3分10秒を、わずか60秒の間隔で25回繰り返す厳しい練習も積んだ。ワコールの永山忠幸監督は「涙目になっていたけど、文句ひとつ言わなかった」。五輪代表に決まるまでは練習に愚痴をこぼすことが多かったが、昨年春はコロナ禍で練習環境にも影響が出た中、そうした気持ちがなくなってきたのは精神面の成長でもある。

 年末に扁桃腺炎になり、5日間静養した。食事も流動食となり、練習メニューの変更を余儀なくされ、調整に狂いが生じた影響は否めない。ただ、本人は「練習でやり残したことはなかった」と決して言い訳にはしない。

 1キロ3分18秒の日本記録ペースを体感したことについては「走ってみると実際きつかった」と振り返った。今後は再び厳しい練習を積んでいく。五輪本番に向けて「監督のメニューをしっかりやって、最高の準備をしてスタートラインに立ちたい」。五輪代表としての自覚を胸に刻んだ誓いだった。 (丸山和郎)