大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストの第2日程が30日から2日間にわたり実施され、第1日程(16、17日)の追試験や再試験の対象者を含む約2500人が全国64会場で受験に臨む。2月からは国公私立大の個別試験も本格化するが、それらの6割近くが新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言下の11都府県に集中している。長距離移動や宿泊先での感染対策が求められる受験生は、不安を抱きながら追い込みに奔走している。
中学受験も佳境に
今後の入試の日程は、大学入学共通テストの特例追試験が2月13、14日。国公立大の2次試験前期日程が同25日から、後期日程が3月12日以降に実施される。私立大の多くも2月以降に個別試験を設定。そのほか首都圏の中学受験が2月1日から東京都と神奈川県で始まるなど、受験シーズンは2月から本格化する。
「会場で検温を求められることもなかったので、体調が悪いのに受験している人がいないか不安だった。結局は自衛するしかない」
共通テストを第1日程で受けた都内の私立高3年の女子生徒(18)はこう振り返り、個別試験に向けて体調管理に気を配る。
共通テストは地元の大学が会場だが、個別試験は志願先の大学キャンパスなどで行われるため、長距離移動や宿泊を伴うケースも生じる。全国の大学(795校)のうち約58%の461校は緊急事態宣言が出ている11都府県にあり、受験生には往来の活発化による感染不安が高まっている。
国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「(陽性者数が比較的少ない)高校生は感染者が周囲にあまりおらず、自分は感染しないだろうと考えている受験生もいるかもしれないが、感染対策は常に意識してほしい」と強調する。