昨年7月末の記録的大雨で氾濫した山形県内を流れる一級河川、最上川について、国や県と県内市町村でつくる最上川流域治水協議会は29日、国の令和2年度第3次補正予算の成立を受け、総額656億円の「最上川中流・上流緊急治水対策プロジェクト」を決めた。事業期間が11年度までの10年に及ぶ大規模流域治水事業となる。
プロジェクトは、昨年の記録的大雨と同規模の洪水被害を軽減するため国、県が連携し、河道掘削、堤防整備、分水路整備、遊水地改良を行うほか、雪対策を兼ねた住居の高床化支援や水田貯留など市町村と連携した対策も組み合わせた。
主な事業範囲は、大江町から戸沢村までで、堤防整備は延べ約8キロ、河道掘削は約90万立方メートルに及ぶ。記録的大雨でほぼ満水状態になった大久保遊水地は越流堤のかさ上げをする。今年度はまず、氾濫で壊れた護岸の修復や河道掘削から始める。