鑑賞眼

宝塚歌劇団宙組「アナスタシア」 新たな財産演目に

アーニャを追う新政府役人グレブ(芹香斗亜=せりか・とあ)は、原作アニメで敵役だったラスプーチンに代わり、BW版で新たに作られた役。任務と、アーニャへの愛情の間で揺れる内面を、芹香が誠実な持ち味を生かして演じるが、ディミトリを主役に据えるアレンジのために存在感が低下し、出番も多くなく、役設定が消化不良の印象。一方、もうけ役だったのが、ヴラドと皇太后の側近リリー(和希そら)。あごひげ姿の桜木のコミカルな演技と、本来は男役の和希の色気が目立った。

また「白鳥の湖」のバレエ場面が美しく、これだけトーシューズで本格的に踊れる出演者がいるのだから、もっと前面に出していいのでは。群舞や合唱など、訓練の行き届いた宝塚の組織力が生きる、華やかな演目なので、コロナ禍収束後も磨き上げ、今後もこの作品を味わいたい。

2月21日まで、日比谷の東京宝塚劇場。0570・00・5100。(飯塚友子)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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