将棋の西山朋佳(ともか)女流三冠(25)=女王・女流王座・女流王将=は27日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指された第92期ヒューリック杯棋聖戦2次予選決勝で、棋聖3期の獲得経験を持つ屋敷伸之九段(49)に92手で敗れ、女性初の八大タイトルでの本戦進出はならなかった。
西山女流三冠は女流棋士ではなく、日本将棋連盟の棋士養成機関「奨励会」の三段。女流タイトル保持者として今期、棋聖戦に初参加した。1次予選は男性棋士相手に4連勝し、女性初の棋戦1次予選突破を果たした。2次予選は初戦となる準決勝で、棋聖挑戦の経験を持つ森下卓九段(54)に勝ち、決勝に駒を進めた。
屋敷九段は昨年、藤井棋聖に破られるまで、タイトル挑戦と獲得の最年少記録を保持していた。
この日の対局は、先手となった西山女流三冠が得意の中飛車から戦いを挑んだ。中盤以降、徐々に形勢を良くする屋敷九段にうまく指され、投了に追い込まれた。
終局後、西山女流三冠は「ちょっとずつ苦しいのかな、と思って指していました。(棋聖戦で)ここまで上がってくるのは、でき過ぎだったと思います。後半の三段リーグに向けて良い経験をさせていただきました」と語った。