話の肖像画

歌手・郷ひろみ(65)(25)オイシイ話に潜む悪魔

ライブハウスで熱唱する(平成12年1月ごろ)
ライブハウスで熱唱する(平成12年1月ごろ)

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《エンターテインメント業界でトップランナーとして走り続けた50年間。華やかな世界にいるだけに、ときには甘いささやきもあった》

(昭和60年代前半、次世代エネルギーとされた)「ブルガリア水素燃料」の話ですよね。僕が33歳のころかな。石油の代替エネルギーとなる「水素エネルギー」の話が、知人を通じて僕のところに舞い込んできたんです。VTRを見せられました。ブルガリア国内のある研究室で、発明者が水道水をグラスに注いで一口飲んだ後に、その水をある特殊な装置に入れると、ものすごい音を発して水素エネルギーに変わっていくというものです。

僕はその権利を得るために、言われるがままに数千万円を指定されたスイス銀行の口座に振り込んだのです。(研究室のある)ブルガリアにも行きました。研究室はもぬけの殻でしたがね。詐欺だったんです。そんなおいしい話はないんですよ、冷静に考えると。そのときの僕は目が曇っていたんでしょうね。

《平成28年8月、「クエストキャピタルマネージメント」なる投資コンサルタント会社の代表者ら数人が、詐欺と金融商品取引法違反の疑いで警視庁に逮捕された。21年から5年半で約113億円を出資させていたとされ、被害者のなかには著名な芸能人の名前もあったという》

百何十億の詐欺事件ですね。たぶん(被害額が1人)1千万円、2千万円くらいだったら「名前のことを考えたら大騒ぎするよりいいや」と思うような額なんですよ。1億、2億となれば、大きいけど。「仕方ないや、だまされても…」という額で集める。それも裁判を起こされて長引いたり、「名前が出たりすると嫌だな」と思うことを見越して集めていたのではないですかね。だからタレントとかからもいっぱい集めたんだと思うんですよ、推測ですけど…。