WHO幹部、東京五輪出場選手へのワクチン優先接種に否定的

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するライアン氏は25日、ジュネーブでの記者会見で、今夏に延期された東京五輪・パラリンピックに出場する選手に新型コロナウイルスのワクチンを優先して接種することについて否定的な見解を示した。

 ライアン氏は会見で、選手へのワクチン接種を優先すべきかどうかを問われ、「今、最も危険にさらされている人々に接種するワクチンさえ十分にない」と指摘。最前線で働く医療従事者、高齢者らが「最初にワクチン接種を受ける必要がある」との見方を示した。

 WHOは五輪開催のリスクについて国際オリンピック委員会(IOC)に助言する立場にある。ただ、ライアン氏はこの日、五輪の開催に関する最終決定については「IOCや日本の当局が行う」と強調した。

 東京五輪開催の是非をめぐっては、ライアン氏は22日、「科学的な根拠やその時点での危険性に基づき、決断しなくてはならない」と述べ、新型コロナの感染拡大を押さえ込むことが「五輪開催に向けた最善の道だ」としていた。