浪速風

「紫色」の奥深さ

紫は日本では聖徳太子が定めた冠位十二階で最高位の色とされて以来、高貴な色と崇敬されてきたと、染色家の吉岡幸雄さんに聞いたことがある。古来人気の色だが、紫の花で染めるのかと思ったらそう簡単ではない。「紫を染める染料は、その名も紫草という草の地中に伸びる根に含まれている」(「日本の色を知る」から)という

▶米大統領の就任式で、ハリス副大統領とミシェル・オバマ元米大統領夫人、そしてクリントン元国務長官がそろって身に着けたパープルカラー(紫)が話題になった。民主党の青と共和党の赤を混ぜると紫になるからというのがその理由らしい

▶一口に紫と言っても青に近いものから赤寄りの色まで随分幅があったが、それも「多様性」を標榜(ひょうぼう)するバイデン政権にはふさわしいのかもしれない。ただし「多様」とは「違う」ということでもあってお手並み拝見といったところ。ちなみに紫草の花は白いそうだ。摩訶(まか)不思議。