長引くコロナ禍が問うデジタル化の真価 「Slack」が改革する老舗の企業体質、意思決定スピード[Sponsored] - 産経ニュース

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長引くコロナ禍が問うデジタル化の真価 「Slack」が改革する老舗の企業体質、意思決定スピード

テレワークやオンライン会議、時差出勤―新型コロナウイルスの影響が長引き、政府が緊急事態宣言を再び発令するなか、新たな働き方の真価が問われている。昨春から感染を予防する応急処置としてテレワークなどが急速に広まったが、企業はデジタル化を加速し、経営の効率化や意思決定の迅速化など生産性向上に結び付けられるかどうかの岐路に立つ。新たな働き方に伴って定着したビジネス用メッセージプラットフォーム「Slack(スラック)」の導入で、抜本的な改革に成功した企業を取材し、コロナ後も見据えた成長戦略を探った。

社員が自ら知恵を絞る「自律分権型」の組織へ

「お伊勢さん」の呼称で親しまれる三重県の観光名所、伊勢神宮。神聖な雰囲気漂う内宮から車で約20分走ると、田園風景に歌舞伎の定式幕を思わせる深緑と朱色、黒の模様を外装に施した工場が現れた。同配色のパッケージで西日本を中心に全国で親しまれる人気米菓「おにぎりせんべい」の製造元、マスヤ(伊勢市)だ。

「OK おにぎりせんべい商品A 200ケース/h」「アラーティング(警告) おにぎりせんべい商品B 180ケース/h 計162」

社内に入るとタブレット画面に、おにぎりせんべいの箱詰め状況がリアルタイムで表示されていた。Slack上に作ったこの「時間出来高」チャンネルはラインに設置したセンサーから1時間ごとの箱詰め数を通知し、予定を下回ると警告が出る仕組み。状況は担当者のみならず、ほかの部門の社員にも公開し、物流担当者による電話での確認作業を効率化した。マスヤグループ本社の浜田吉司社長は「例えば、おにぎりせんべいの生地作り、焼き、包装の各工程が情報を共有し、焼きにちょうどいい生地作りができているかどうかなども確認できる」と効果を話す。

マスヤはおにぎりせんべいの包装ラインの状況をセンサーで検知し、全社員がチャンネル上で確認できる仕組みを構築している
マスヤはおにぎりせんべいの包装ラインの状況をセンサーで検知し、全社員がチャンネル上で確認できる仕組みを構築している

1965年創業のマスヤは従来、トップが経営の意思決定をして社員は従う「管理統制型」の老舗企業だった。しかし、2001年にグループ経営に乗り出し、食品からレストラン、ブライダル、介護まで事業を多角化。事業会社を9社に拡大するなかで、浜田社長が管理統制型の経営の限界を感じたことが新たなITツールの導入につながる転機となった。業種・業態の異なる会社を傘下に抱え、「社長が全てを決定するよりも、各社の社員が自主的に知恵を絞って判断する『自律分権型』への移行が効率的と考えた」(浜田社長)

浜田吉司社長
浜田吉司社長

このため08年から社員の判断基準になる「理念」を打ち出し、浸透を図るなど試行錯誤を続ける過程で、出合ったのがSlackだ。部門やプロジェクトなどテーマ別の「会議室」ともいえるチャンネルを作り、メンバー同士の情報共有や、絵文字を交えたチャット(雑談)感覚の迅速なコミュニケーションを可能にする。送信先を選ぶメールは1対1の閉じたやり取りになりがちだが、チャンネルは「パブリック(公開)」に設定でき、社長から新人まで全社員が判断の前提になる情報をテーマ別に整理した状態で閲覧する環境を実現する。

浜田社長は17年に、自律分権の組織づくりを実践する海外の著名経営者の講演会に参加し、「この中でSlackを使っている人は?」と問われて気になってノートに名前を書き留めたという。当時は日本語版がまだなかったこともあってほかのビジネスチャットを採用したが、19年春に切り替えた。Slack導入を後押ししたグループCIOの神山大輔氏は「以前のツールは『既読』や、仕事の担当や期日を割り振る『タスク』の機能が、対応を求められる社員の心理的負担になっていた」と指摘する。

これに対し、Slackは既読やタスクが付かず、気軽に情報を共有・発信でき、「自律分権型の組織に適した設計思想になっている」(浜田社長)。例えば、営業や製造の「日報」をチャンネルでの報告に置き換え、数字に表れない現場の実態を把握する仕組みをつくった。浜田社長は日々のやり取りに口を挟まず、「ちょい見」にとどめ、社員が安心して発言できる環境を整えている。

マスヤの「営業活動報告」チャンネルには、取引先とのやり取りや社員の問題意識などがきめ細やかに表れ、絵文字のリアクションも多くみられる
マスヤの「営業活動報告」チャンネルには、取引先とのやり取りや社員の問題意識などがきめ細やかに表れ、絵文字のリアクションも多くみられる

結果、経営幹部は数字の背景や経緯を把握でき、月例報告会がスピーディーに進み、議論も活発に。浜田社長は「自分の想定を超えた意見が出てくるようになって、管理統制のグリップ(握り)を緩めることに抵抗がなくなってきた。自律分権に近づいている」と手応えを語った。

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佐々木代表「Slackコネクトが日本企業の共創広げる」

14年にサービスの提供を開始したSlackはチャットや絵文字の持つスピード感や、2400以上の外部アプリと連携する拡張性、感覚的な操作性の高さが支持を集め、北米およびヨーロッパ各地で急速に普及。1日のアクティブユーザー数は世界で1200万を超え、17年11月の日本語版リリース以降、国内でも企業や大学などに導入を広げてきた。新型コロナを契機に勢いは加速し、20年2~7月期の国内売り上げは前年同期比82%増と大幅に伸長。昨年10月にはソフトバンクが国内最大規模の約5万アカウントでの利用を発表し、存在感を増している。

昨年6月には外部の最大20団体・機関とひとつのSlackチャンネルでやりとりできる新機能「Slackコネクト」の提供を開始。従来、社外から「ゲスト」を呼び込むには個人ごとにSlackの設定が必要となっていたが、外部組織をチャンネルごと連携できるよう、大幅に拡大してプロジェクトやサプライチェーン(生産網)の連携をサポートする。

Slack日本法人の佐々木聖治代表は「働く場所や時間にとらわれず、新たなスタイルでコミュニケーションをとりながら生産性を維持・向上することが企業の課題になっている。Slackコネクトの活用で製造業など日本企業の『共創』はどんどん広がっていくだろう」と指摘する。象徴的なのが総合エンターテインメント企業KADOKAWAの取り組みだ。

Slack日本法人代表 佐々木聖治
Slack日本法人代表 佐々木聖治

東所沢駅(埼玉県)から徒歩約10分に位置する約4万平方㍍の広大な敷地に昨年11月、日本最大級のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」がグランドオープンした。同社が約400億円を投資し、ミュージアムやレストラン、アニメホテル、書店などを集めた文化や産業の一大拠点。この巨大かつ複層的な施設が新型コロナという想定外のリスクが発生しても、20年11月にグランドオープンできた背景にはSlackの活用があった。

同社のデジタル化を推進する各務茂雄執行役員は「外注先も含め多くの人数が参加するプロジェクトだったが、Slack上の文字ベースのコミュニケーションを徹底し、齟齬(そご)がなくなったことが最大の成功要因」と説明する。工期中は、施設やインフラなど機能別の責任者の会議のほか、各機能や入居テナントなど関係者別のやり取りもチャンネルを設定。新型コロナで同社はグループ全体約6000人を在宅勤務に切り替わるなか、数百に上るテーマが同時並行でリスクや課題、仕事の分担などを文字ベースで正確に共有し、行き違いによるミスを防ぐことができた。

ところざわサクラタウン
ところざわサクラタウン
緊急重版を5倍の速さで達成

同社がSlackを導入したのは、18年に着手したコミュニケーション改革がきっかけだ。傘下のドワンゴで実績を残した各務氏がICTサービス局長に就いたが、「当時は会議が乱立し、メールや電話などコミュニケーションの取り方が人によって異なる属人化が著しかった」。このため経営層と現場の情報のゆがみが生じ、部門間など横の連携にも時間がかかっていた。社内のコミュニケーションツールの一本化を迫られるなか、選んだのがSlackだ。「パブリックチャンネルで誰にでも情報をオープンにし、(経営層と現場が近い)フラットで連携しやすい組織になるので、意思決定のスピードが上がる」(各務氏)

ツールの統一に加え、運用ルールも整備した。「重要度」「緊急度」の2つの軸の高低でコミュニケーションを4つに分類。重要かつ緊急なケースは、Slackのメンション機能と電話で伝えるなどと定義した。社員の利用を促すため勉強会を開くほか、出版業のノウハウを生かし、活用法などを解説する4コママンガを週1回程度配信している。

KADOKAWAグループ社員に配信されているSlackの活用法を解説する4コママンガ。(c)KADOKAWA Connected Inc.
KADOKAWAグループ社員に配信されているSlackの活用法を解説する4コママンガ。(c)KADOKAWA Connected Inc.

最初に成果が表れたのは19年秋のノーベル賞。リチウムイオン電池の発明で化学賞を受賞した吉野彰氏が原点として、角川文庫からも刊行するファラデー著『ロウソクの科学』を挙げ、注文殺到が予想された。同社は緊急重版を決め、受賞発表の翌朝からSlack上と本社のフリーアドレスエリアに対応本部を設置。生産や物流、書店担当など100人以上がチャンネル内でやり取りし、昼には製造準備を完了した。翌日には出荷し、従来は注文から10営業日かかった工程を2営業日と5倍のスピードで達成し、対応している。この経験が、新型コロナ禍のところざわサクラタウンの成功につながった。各務氏は「オンラインでもSlackの文字のやり取りとミーティングをハイブリッドで使うことで、論点がはっきりと伝わる解像度の高いコミュニケーションが可能になった」と実感する。

企業が直面するデジタル化への挑戦は、イノベーション(技術革新)や多様な人材の活用につながるコミュニケーションを実現するチャンスでもある。感染拡大防止にとどまらず、新たなコミュニケーションを取り入れて成長への道筋をつけることができるかどうかが問われている。

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提供:Slack Japan