世界の論点

SNS言論規制 欧州「放置に厳しい目」、韓国「不自由を正当化」

トランプ米大統領(当時)の支持者による米議会議事堂襲撃を受け、ツイッターなど米IT大手が会員制交流サイト(SNS)のトランプ氏の利用を停止した。フランスやドイツでは、危険な投稿を放置してきたSNS運営企業に厳しい目が向けられる一方で、「表現の自由」の規制は企業ではなく国や裁判所が行うべきだとの論調が主流を占める。一方、北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国では、「表現の自由より安全保障が優先」という論理の下、ちぐはぐな言論規制が取られている。

≪ポイント≫

・欧州では危険投稿放置のSNSに厳しい声

・GAFAの市場支配に警戒感、分割論も

・規制は企業ではなく国、裁判所が行うべき

・韓国では北朝鮮意識しちぐはぐな言論規制

発言放置の企業に厳しい目 欧州

フランス紙フィガロは15日付の論説で、ツイッターがトランプ米大統領(当時)のアカウントを永久凍結したことについて、「GAFAによるクーデター。民主主義の擁護者を怒らせた」と非難した。

フランスは国家主義が強く、GAFAと呼ばれる米巨大IT企業のデジタル支配には、以前から警戒が強い。「表現の自由」の制限は企業ではなく、国や裁判所が担うべきだという論調が目立った。

12日付仏紙ルモンドは、トランプ氏の危険発言を阻止するのは妥当だとしても、ツイッターの対応は遅すぎたと嘆いた。トランプ氏の暴力的発言を長く見逃してきたのに、退任が決まった途端、アカウント閉鎖という強硬策をとるのは偽善的だと指摘した。

トランプ氏が始めた「ツイッター政治」はいまや世界に広がり、マクロン仏大統領もSNSでひんぱんに声明を出している。ルモンドは「ツイッターを発信の手段とする政治家たちは、使い方や違反行為を法制化する責任を負う」として、規制は民間に任せるべきではないと主張した。

14日発売の仏週刊誌ルポワンは「GAFA分割を検討すべき時だ」と踏み込んだ。