書評

『象徴天皇制のゆくえ』茶谷誠一編

 御代替わりを経て改めて高まる皇室への関心。現行憲法下、70年以上の歴史を経た象徴天皇制もすでに歴史として学術研究の対象となりつつある。本書は気鋭の研究者らが、皇室外交の形成やその実態などを実証的にたどる論集だ。

 近現代皇室史に詳しい河西秀哉氏は、皇太子時代の上皇さまの「象徴」像模索をつぶさに描く。また英王室史を専門とする君塚直隆氏は、戦前戦後を通じ英国立憲君主制がさまざまな形でモデルとして日本に影響を与え、いまなお学ぶべき点は少なくないことを論じる。皇室制度の歩みを振り返り、今後を展望する際に有用な一冊。(志学館大学出版会・1500円+税)

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