就任式に出かける前、デラウェア州の演説で涙を流した米国のバイデン新大統領、こんなことで泣いているようでは先が思いやられる。こんな人物に核のボタンを預けて大丈夫か。
『ニューズウィーク日本版』(1・26)は早速、今、いちばん気掛かりな「バイデンVS中国」の大特集。
マスクをつけたバイデンと習近平がにらみ合っている表紙のイラストが秀逸。
ミンシン・ペイ氏(同誌コラムニスト、クレアモント・マッケンナ大学教授)の分析によると、バイデン対中戦略の柱は、
(1)〈中国を弱体化させるよりもアメリカの経済力・技術力の強化を優先〉
(2)〈同盟諸国を糾合して共同戦線を張る〉
(3)〈対決と協力の二正面作戦〉
ただし、戦術面で、〈バイデンが米中関係の改善に打てる手も限られている。過去1年間にトランプ政権が中国に科した多くの制裁のせいで、バイデンの選択肢がひどく狭められているからだ。追加関税の撤廃や、安全保障上の脅威とされた中国企業への制裁の解除に動けば、共和党からも民主党からも反発を招く〉。
結論は〈当面は中国政府が先に、関係修復に向けた動きを見せるのを待つしかあるまい〉。
おもしろくもない結論だ。
日本中が新型コロナ恐怖症というか新型コロナヒステリーというか。
あらゆるメディアの中で唯一、冷静な報道を続けている『週刊新潮』、今週(1月28日号)も、「死神の正体見たり」。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、〈1月11日までに死亡した4114人中、80歳以上〉が〈2110人と、半数を超える〉。
亡くなった人がどんな基礎疾患を抱えていたかを調べた国立国際医療研究センターのデータでは、腎機能障害約5割。心疾患、脳血管障害4割前後。慢性肺疾患、がん、糖尿病、肝疾患では4人に1人以上。
〈基礎疾患がない場合の死亡率は、高齢者を含め1割に満たない〉
過度に恐れる必要はないのだ。
(月刊『Hanada』編集長)