【児童虐待~連鎖の軛 第4部④】ステップファミリー 血のつながらない父の葛藤(3/3ページ) - 産経ニュース

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児童虐待~連鎖の軛 第4部④

ステップファミリー 血のつながらない父の葛藤

一方、ステップファミリーに潜むリスクを暗示する数字もある。警察庁によると、同年の児童虐待事件での検挙者1419人のうち、養継父と内縁関係の父の合計は実母を上回る計393人。全体の約3割を占め、養継父らによる虐待が深刻化しやすい傾向も浮かび上がる。また、一昨年1年間に離婚した夫婦は約21万組に上り、30年前と比べ約5万組増加した。また同年の婚姻のうち、「夫婦ともに再婚」と「どちらか一方が再婚」の割合は合計約27%。ここ30年で10ポイント近く増加しており、ステップファミリーの割合は増加傾向にあるとみられる。

友人関係から

「血縁の有無が虐待リスクを生むのではない」

ステップファミリーに関する著書もある明治学院大の野沢慎司教授(家族社会学)はこう前提を語った上で、「ただ、継父が無理に『実父』になり代わることを望むと、虐待の危険性が生まれる」と話す。一方的に父親を目指しても、子供は簡単には受け入れられない。結果として理想とのギャップを許せず、「しつけ」が過度に厳しくなる構図に陥りやすいという。

野沢氏らの研究では無理に父親になろうとしない継父が、子供と良好な関係を築きやすい傾向にあるとし、「血のつながらない子供とはまず、友人のような関係から始めるのがいい。父親と認めてもらえなくても、子供にとって身近な大人の友人は心強い存在になる。『普通の家族』にこだわらないことが、ステップファミリー独自の強みにつながる」とする。

養継父は、父親として受け入れられるべきだ-。こんな考えが世間には蔓延(まんえん)する。だが、ステップファミリーを父と母のいる一般的な家庭に当てはめただけの常識は、ときに子供を虐待の危険にさらす。

子供が幸せに暮らせる家庭には、いったい何が重要なのか。固定観念を捨て、改めて考える必要があるのかもしれない。

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